再会

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「はい、お疲れ様でした! えっと、横田志桜里さん?」 田上さんが、名前を確認しながら認定証を渡してくれる。 「はい。今日はありがとうございました」 「もう帰ります?」 「はい?」 「これからご飯でもどうですか?」 「え、でもお仕事中ですよね?」 「オレね、朝まで当直だったんですよ。で、この講習は残業みたいなもんなんです。だから、今から休み!」 「そう、だったんですね。お疲れ様です」 「だから、ご飯行きません?」 その時、後ろから別の声が聞こえてきた。 「こら!田上!署内でナンパすんなー」 どこかで聞いたことあるような声…… その声に緊張しつつ、おそるおそる振り向くと、そこには、 会いたいかもしれない、と思っていた進藤さんがいた。 ドクン 進藤さんだ…… ホントに進藤さんだ。 まさかこんなところで会うなんて…… 進藤さんも私に気づいてびっくりしている。 また会えたら謝罪しなきゃ、なんて思っていたのに、いざ本人を目の前にすると、胸が詰まったようになって、なぜか言葉が出てこなくて… ただ、進藤さんを見て早鐘を打ってしまっている。 これってやっぱり… 二人とも、何も言葉を発せぬまま見つめ合う。 まわりはザワザワしているはずなのに、二人の間だけ別世界のように、ただただ見つめ合う。 もう会えないかも、と思っていたので、なぜだか嬉しくて泣きそうだ。
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