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連絡先を交換したあと、田上さんはバーガーを完食し、少しそわそわしている。
目的は果たしたのだから、これ以上ここにいる理由はない。
それでも立ち去ることなく、目を彷徨わせていたが、意を決したように話しかけられた。
「……めっちゃ気になるけど、オレが聞いちゃいけない気もするので、逆に横田さんの知りたいこと聞いてください。オレでわかることであれば教えます」
「知りたいこと…?」
「はい!進藤さんのことで、聞きたいこととかないですか?」
聞きたいことならいっぱいある。
でも……
「聞きたいことは山ほどあるんですけど、本人の知らないところでいろいろ聞いちゃうのも、なんだか悪い気がして……」
「あはははは。大丈夫ですって!だって進藤さんが連絡先教えといてって言ったんですよ?それはつまり、進藤さん本人のことだって教えていいってことですよ!気になるなら、オレが勝手に教えたことにしときますし!横田さん、律儀ですね!」
そうなのかな?
それじゃ、ちょっとくらい情報収集してもいいかな?
「えっと……進藤さんは、消防士さん?だったんですね…」
「そうですね。消防士だけど、なかでも進藤さんは救急隊にあたります。だから、救急車に乗ってることが多いですね」
「救急隊?」
「はい。進藤さん、救急救命士なので」
「救急救命士……名前は聞いたことあるかも…」
救急救命士って、救急車の中で救命措置を行う人のことよね?
そんな凄い仕事をされていたの?!
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