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「でも、みなさん凄いですね。救急とか人の命救うために大変なお仕事されてて……私なんかとは全然違う世界ですね」
凄く責任のある大変な仕事をしているので、遠くに感じてしまう。
「私なんかって言っちゃダメですよ!横田さんだって、仕事に誇り持ってやってるでしょ?今日だって、接客業と言いつつ受講しに来たのは、お客さんに万が一何かあった時のためでしょ?オレは凄いと思います!たぶん、進藤さんだって同じように思ってるはずです」
笑いながら元気づけてくれている。
この人いい人だ。
チャラそうだな、なんて思っててごめんなさい!
それからも、田上さんは私にあれこれ聞くわけでもなく、進藤さんのことを教えてくれた。
進藤さんのことを尊敬していて大好きなんだな、と伝わってきた。
後輩から慕われてて、凄くいいな。
進藤さんにちゃんと連絡してくれ、と念を押されて別れた。
思いもよらぬところで再会できたし、連絡先までゲットしてしまった。
急展開な一日となった。
ただ、どうやって連絡すればいいかわからない。
私は進藤さんに「誤解です」と言って引き留めてしまった。
実はあれは~…なんて説明をいきなりメッセージで伝えるのもおかしな話に思えるし、
かといって、居酒屋での無礼と翌朝の言いがかりをメッセージで謝罪するのも、軽い感じに思えてどうなんだろうって気がするし、そもそも今更感が半端ない。
スマホと睨めっこしながらウダウダと考えてしまい、なんだかんだで連絡できずにいた。
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