自覚

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そうだ。 躊躇してしまうもう一つの理由が、署内で聞いた女性隊員さんの話。 進藤さんには、どうやら一途に想っている女性がいるらしいこと。 それが私の心にブレーキをかけている。 「そもそも進藤さんには好きな人がいるかもしれないし、私に彼氏がいてもどうでもいいのかもしれないし。私が連絡したところで、今さら何?そんなことで連絡してくんなよ、て思われるかもしれないし…。そうだよ!迷惑かもしれないじゃん」 「もう!かもかも、鴨かも、うるさい!貸して!」 美奈はそう言うと、私からスマホを取り上げ、何やら文字を打ち込んで、あろうことか進藤さんにセッメージを送信してしまった。 「え!ちょっと!送っちゃったの?!」 スマホを取り返して送ってしまった画面を見る。 そこには、 『会いたいです。今から会えませんか? 横田志桜里』 という文字が並んでいた。 「何してくれちゃってんのよ~!こんなの直球過ぎるし、しかも今からって、そんな急にムリに決まってるじゃん!!」 慌てて送信取り消ししようとした。 その時、既読がついてしまった。 「わぁ~、どうしよう美奈!既読、ついちゃったよ!」 動揺して、美奈の体を掴んで揺らしてしまう。 「ねぇ、どうしよう!どうしよう!」 「ちょ、ちょっと、志桜里。苦しいよ」 ピコンッ その音に、ピタリと停止する。 「返事……きた、かも……」
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