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義母「ちょっとまた食器片づけできてないの?」
私「あ…すいません…息子ちゃんが機嫌悪くて…」
義母「毎回毎回…なんでこんなこともできないのかしら? 本当とろいわね!」
私「ちょっと今季節の変わり目で、喘息気味で…ぐっすり寝れてないから…
私も心配で何度も起きてしまって、寝不足なんです。家事どころではなくて…」
義母「家事どころって、それが嫁の仕事でしょう?子育ても嫁の仕事! そんな弱い体の子に産んだあんたが悪いのよ!まったく私の大切な正也の子でもあるのに、本当なんでこんな嫁を選んだのかしら…」
私「そんな言い方…ひどすぎる…」
義母「ひどいって、事実でしょう!? 正也もあんたなんかと結婚しなきゃ、もっと体が丈夫で頑丈な子が授かったでしょうに。ひどい目に合ってるのはこっちのほうだわよ!
気分が悪いから、ご近所のお友達とお茶でもしてくるわ。帰ってくるまでにちゃんと片づけておくのよ!いいわね?」
私「……はい。わかりました」
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私「ねぇまたお義母さん、何の家事も手伝ってくれなくて、遊びに行っちゃったんだけど。ちゃんと時間あるなら、家事手伝ってほしいって言ってくれたの?」
正也「あーー……まぁでも余生楽しんでんだし、いいんじゃないの?」
私「その様子だと、家にお金入れてほしいって話もしてなさそうね」
正也「あー…うん。ちょっとやっぱ世話になった親には言いづらくて……」
私「言いづらいのはわかるけど、同居してからお義母さん何のお金も入れてないじゃない! せめて食事代くらい入れてくれないと。
うちだってまだローンも30年も残ってるし、なかなか息子ちゃんの体調が良くなくて、私も長時間働きに出れなくてお金に余裕ないのよ」
正也「なんだよ、俺の稼ぎが悪いってのかよ?」
私「そうじゃなくて、息子ちゃんももう5歳だし、喘息に良いっていうからスイミングとかやらせたいのよ…
今日もお義母さんに息子ちゃんの体が弱いのは、私のせいだとか言われて…」
正也「でも俺特に小さい頃喘息なかったし…」
私「私だってないわよ!前も言ったでしょう!? 喘息は遺伝的要因もあれば、アレルギーの元から引き起こす場合もあるし、いろんな要素が重なって起こるのよ。
だからこまめに掃除したり、香料の強くない洗剤で何度も使ったり、たくさん気を付けてやらなきゃいけないことが多くって…
やる事多いからせめて食器洗いくらい、お義母さん仕事もしてないんだし、やって欲しいって何度も言ってるじゃない」
正也「わかってるけどさ…」
私「じゃあお義母さんに言えないなら、あなたがやってよ。私もうキャパオーバーだよ!」
正也「ええ……う……うん…わかったよ……」
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義母「ちょっと食器の片づけ、正也がやってたじゃない! どういうこと!?」
私「いろいろやる事が多くて手一杯だったので、正也さんにも手伝ってもらいました」
義母「だからそれがどういうことって聞いてるのよ! 食器の片づけなんて嫁の仕事でしょう!?」
私「今の時代、共働きが多いんだし、家事も分担するのがスタンダードですよ、お義母さん」
義母「そんなの嫁の怠慢でしょう!? 家事を完璧にやって余裕ある人が働きに出ればいいのよ!
正也にこんな負担させないで頂戴!」
私「ではお義母さんがやったらいかがでしょう?
仕事しながら、息子ちゃんの体調管理もして、完璧に家事をこなすなんて、業務量が多くてとても私には無理です」
義母「なんで私が手伝わなきゃいけないのよ! これは嫁の事でしょう!!」
私「現状手一杯で、私だけでは無理だと言ってるんです。手の空いてる人がやればいいと思うのですが…」
義母「なんであなたの業務を私がしなきゃいけないのよ!
今日お友達が遊びに来るから、部屋もっと綺麗に片づけて、お茶菓子用意しときなさいよ!
はー全く能力の低い嫁をもらうと、疲れるわ…」
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義理母友人「すいません、突然お邪魔しちゃって」
義理母「いいのよぉ!さあ、あがって!汚いところだけど」
私「こんにちは。いらっしゃいませ」
義理母「ほら早くお茶出してよ。気が利かないわね」
私「あ…はい…今…」
義理母友人「あ、いいのよ~自分のことは自分でやりますから…
それよりお子様喘息大丈夫?
うちの孫も喘息気味でねぇ…大変よねぇ…」
私「あ…はい…なかなか最近よく寝れなくて…」
義理母友人「まぁそれは大変! まぁでも同居してるし、家事やってあげられるし、ちょっとは負担軽減できてよかったわね」
私「え?」
義理母友人「…え?義理母さんそのあたりやってるんでしょ?」
義理母「え…?」
義理母友人「え…まさか何の家事もしてないの?」
義理母「え!?…お…オホホ…ま…まぁ…時と場合により…」
義理母友人「まぁでもよく手伝いなさいねぇ。子育ては皆でするものだし。
あなた喘息のしんどさご存じしょう?」
義理母「え?」
義理母友人「…え?だって正也君喘息だったでしょう? いつも小さい頃ゼコゼコしてたじゃない」
私「…え?そうなんですか?」
義理母友人「そうよぉ、いつも季節の変わり目とか空気が乾燥してくると、よく苦しそうに咳してたじゃない」
義理母「え?そうだっけ…? そ…そんな昔のこと忘れちゃったわよ!」
義理母友人「そうよぉ、あんまりに苦しそう時は、うちの子の喘息の薬あげてたのよ~。
そしたら症状すぐ落ち着くから。
喘息は遺伝からの要因もあるから、息子さんも気を付けたほうがいいわよ」
私はお義母さんを思わず見る。
何よ、正也喘息だったの…!?
息子「ママ~~あっこんにちは…」
義理母友人「まぁキチンとご挨拶できて偉いわね。こんにちは。
利発そうな子ねぇ」
義理母「ま…まぁ正也の子ですからね〜」
義理母友人「ふふ…大きくなったら何になりたいの?」
息子「えーとね…お手伝いさんになりたいの」
義理母友人「お手伝いさん?」
息子「うん。ママのね。お手伝いしたいの。
ママいつも1人でお掃除したり、洗濯したり、お料理したり、大変そうだから」
義理母友人「偉いわねぇ〜あれでも1人なの?
パパとかおばあちゃんとかもやってるでしょ?」
息子「ううん。パパはすっごくたまにしかやらないし、おばあちゃんは絶対やらない」
義理母友人「えっ…」
一同の視線が義理母に集まる。
固まる義理母。
義理母友人「呆れた。あなた、手伝いもしないの?
お嫁さん可哀想だわよ」
義理母「い…いやでも…こーゆーのは嫁の仕事で…」
義理母友人「えっ!?あらやだ今時そんな事言ってるの?
今は共働きの時代なんだし、家事なんか暇な人がやればいいのよ。
あなた年中あちこち遊びに行ってるんだから暇でしょ?」
義理母「いや…暇じゃ…」
義理母友人「…暇じゃない?
じゃあハウスキーピングとかのお金出したげなさいよ。
羽振り良くいつもランチ代とか払ってるじゃない」
えっ!?
ちょっとうちにお金もいれないで、他人に羽振り良くお金使ってるってこと!?
もう我慢ならない!!
私「お義母さん、そんな事してるんですか?
お金に余裕あるなら、うちにもお金少しでいいので入れて欲しいんですけど…」
義理母友人「えっ…えぇ!? お金…今まで渡したりとかしてないの??
冗談でしょ?」
義理母は押し黙ったまま。
その状況で察したのか、義理母友人はため息をついた。
義理母友人「あなたちょっとお嫁さんに甘え過ぎよ。信じられないわ!
シゲさんのとこなんか…」
その義理母友人は、その後、近所の友人方の素晴らしい家事育児参加ぶりを延々と話し、義理母はお説教されてるようだった。
義理母友人「あら、そろそろ保育園お迎えの時間だから帰るわね」
私「あっはい。
あの…色々とありがとうございました!」
義理母友人「いえいえ〜いつも話聞いてると、これはお嫁さん大変そうだなと思っててさ。
ここまで酷いとは思わなかったけど(笑)
あっうちの孫が今喘息で通ってる病院、すごく良いのよ!
喘息コントロールが絶妙で!
今度是非いってみて〜」
私「あっはい!是非!!」
義理母は友人のお説教が効いたのか、家事をやってくれるようになり、お金も幾ばくか入れてくれるようになった。
息子は病院を変え、あの義理母友人のお孫さんと同じ病院に通い、今でもとても仲良く遊ぶ友達になっている。
本当ご友人様々だ!
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