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「…で、どこへ?」
「僕に聞かないでください」
僕達は、早速壁にぶつかりました。
それは、「そもそも、主君は今どこにいるのか?」という、根本的な壁です。
「神様さん、主君って生まれ変わるんでしたっけ?」
「うん!」
「今の主の状況は?」
神様は、うーん、と考えます。
「えっとね、今志織ちゃんは3歳だよ」
…ん?
どういうことでしょう?
さっきまで僕達といた主君が?
3歳ってことは、生まれて3年たってるってことです。
ということは、僕達が主君とお話ししていたときに、もうどこかで主君が生活していた、というおかしなことになってしまいます。
「んっとね、簡単に言うと、僕以外の他の神様達が時間を操作して、今この瞬間に志織ちゃんは3歳ってことになってる」
分かったような、分からないような。
とにかく、主君は今3歳ってことですよね。
「どこにいるかは分からないのか?」
「うん、ごめんね。ただ、どっかにはいる」
いないと困ります。
「とりあえず、探すしかないかな。僕はある程度位置が分かるよ。なんとなく。ただ、本当になんとなくで、例えば今海の上にいるとか、どこどこの大陸のどこかにいる、とか、アバウトなんだよねー」
うーん、探しにくいですね。
「ま、とりあえず探そう。適当に」
うん、それが今できることで一番ですね。
「神様さん、主君は今どこにいるんですか?」
「えっとね、これまた困ったことに、アートイス大陸のどっか」
困った?
「アートイスってどんな大陸なんだ?」
「一番の特徴はねぇ、」
…というわけで、僕達は、「世界で一番広い」アートイス大陸で、主君探しを始めることになったのです。
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