洞窟を出よう

2/4
前へ
/23ページ
次へ
「…で、どこへ?」 「僕に聞かないでください」 僕達は、早速壁にぶつかりました。 それは、「そもそも、主君は今どこにいるのか?」という、根本的な壁です。 「神様さん、主君って生まれ変わるんでしたっけ?」 「うん!」 「今の主の状況は?」 神様は、うーん、と考えます。 「えっとね、今志織ちゃんは3歳だよ」 …ん? どういうことでしょう? さっきまで僕達といた主君が? 3歳ってことは、生まれて3年たってるってことです。 ということは、僕達が主君とお話ししていたときに、もうどこかで主君が生活していた、というおかしなことになってしまいます。 「んっとね、簡単に言うと、僕以外の他の神様達が時間を操作して、今この瞬間に志織ちゃんは3歳ってことになってる」 分かったような、分からないような。 とにかく、主君は今3歳ってことですよね。 「どこにいるかは分からないのか?」 「うん、ごめんね。ただ、どっかにはいる」 いないと困ります。 「とりあえず、探すしかないかな。僕はある程度位置が分かるよ。なんとなく。ただ、本当になんとなくで、例えば今海の上にいるとか、どこどこの大陸のどこかにいる、とか、アバウトなんだよねー」 うーん、探しにくいですね。 「ま、とりあえず探そう。適当に」 うん、それが今できることで一番ですね。 「神様さん、主君は今どこにいるんですか?」 「えっとね、これまた困ったことに、アートイス大陸のどっか」 困った? 「アートイスってどんな大陸なんだ?」 「一番の特徴はねぇ、」 …というわけで、僕達は、「世界で一番広い」アートイス大陸で、主君探しを始めることになったのです。  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加