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風に揺らぐ風鈴のような、優しく落ち着いた声。誘われるがままにアリスがその『人』の後を追うと、なんの予兆もなく突然眩しい光に包まれる。
思わず目を瞑るが、「大丈夫よ、目を開けて」と囁く声に大人しく従い、恐る恐る瞼を持ち上げた。
すると、目の前に立って居たのは先ほど見た『誰か』とは別の人物で、アリスは思わず片手で目を擦る。
「やあ、アリス。久しぶりだね。それじゃあ早速、ゲームを始めようか」
無造作に跳ねた白い髪から、ロップイアーを連想させる垂れ下がった黒いウサギの耳を二本生やし、アリスから見た右頬にハートのマークを刻んだ男は楽しげにそう言って、人が良さそうな笑顔を浮かべて見せる。
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