真白の過去

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 祖母に拒絶され、引き取り手のなかった真白は孤児の集まる施設に送られた。  高校に入学してからも、友達を作ることもなく、孤独の中で過ごす毎日。  2学年に進級してから、森下、吉野、加藤らの素行の悪い連中から目をつけられ、真白はいじめの標的になってしまったのだ。  机の落書き、物を隠される等は序の口で、トイレで水をかけられ、アルバイトで稼いだ金は奪い取られ、暴力を奮われることも多々あった。  酷いことに、いじめはエスカレートして性的な行為まで強いられることになる。  始めて身体を犯されたあの日、無人の廃工場に連れこまれ、身ぐるみをはがされて全裸にさせらせた。  彼らに裸体を弄られ、恐怖を感じ抵抗して逃げ出そうとした。  しかし、暴力を奮われ、集団で抑えつけられているため身動きが取れない。  慣らされることなく次々と身体に男根を挿入され、激痛と恐怖で泣き叫び助けを求め続けた。    痛いよ! 怖いよ! 誰か助けて!     絶望に打ちひしがれ、身体中の涙が全て流れてしまうほどに泣きつくした。    更に、その忌まわしい行為の最中を撮影され、脅しをかけられたのだ。 『俺らに従わなければ、こいつをばらまいてもいいんだぜ。そうなれば、お前のいる施設の評判も悪くなるだろうな』  施設の人達に迷惑がかかるのだけは避けたい。  それに汚らわしい自分の姿を誰にも知られたくない。  自分は逆らうことが許されない。  ああ、きっと、これは罰なんだ  僕のせいで、家族の皆が死んでしまったから  この罰を受け入れるしかないんだ  強く自分に言い聞かせ、心を殺して堪えるしか道はなくなっていた。    
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