真白の過去

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 放課後、逃げ出す間もなく森下らに捕らえられ、真白を性的に弄ぶ場所として、例の廃工場に引きずられた。  苦痛の儀式が始まろうとしている。    仕方がないんだ  だってこれは罰だから  瞳を固く閉じて、呪文のように自分に言い聞かせる。    裸体を彼らの手がまさぐり、男根を咥えさせられながら、代わる代わる犯されていく。  森下達に誘われた上級生までもが、いつの間にか加わっていた。  長い長い地獄の時間が、ようやく終わり、息をついたときだった。  真白の鞄のポケットに入っていたパスケースを、吉野が手にしたのだ。   『おいっ!この写真、もしかしてお前の姉ちゃん達か?めちゃくちゃ美人じゃないか』 『本当だな。紹介してくれよ』  パスケースの中には、家族の写真が入っている。  その写真を吉野が抜き取り、見せびらかしているのだ。 『お願い! それだけは返して!』  全裸姿で駆けよったが、写真は高く持ち上げられ、キャッチボールのように、次々と男子達の手に渡っていく。   『返してぇ!』  上級生の手に渡ったとき、思わずその男子を突き飛ばしていた。 『痛えっ!!何すんだよ!あぁ 痛たっ!』  男子が尻もちをつき、地面に落ちた写真を拾おうとしたとき、森下の踵で手を踏みつけられた。 『痛いっ!』 『てめえっ!先輩に向かってふざけたまねしてくれたな。こんなもののためによ』  森下が写真を拾い上げ、真っ二つに裂いた。 『酷いっ!酷いよ!』  大切な家族の写真は無惨な姿となってしまった。   自分は思い出を持ち歩くことさえ許されないのだろうか?  涙が溢れ泣きじゃくっていると、森下に髪を掴まれ顔をあげられた。 『こいつは、きついお仕置きが必要だな』 『そうだな。やき入れてやろうぜ』  両手首を縄で拘束され、身体を吊るされると、マジックで落書きがされた。 『よし、処刑開始だ』  恐怖に脅えていると、肛門に異物を挿入される。  更に、尻や背中に煙草の火を数ヶ所押し付けられた後、棒で全身を強打された。   今までも暴力を受けることはあったが、素肌に直接加えられる衝撃は息が出来なくなるほど辛すぎる。    痛い!痛いよ!  もう嫌だ!苦しいよ!  誰か助けて!  このまま死んでしまいたい  耐えきれない激痛に心も身体も限界に達し、悲鳴をあげ続けた。  どこかで犬の遠吠えが聞こえるような気がして、次第に意識が遠退いていったのだ。     
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