芽生えた気持ち

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 朝食の片付けをすませた真白は、壁に掛けられた時計を覗く。  時刻は10時30分、アルバイトが2時からなので、そろそろ準備をしなければならない。  樹が汚れた制服をクリーニングに出してくれたらしく、ミルクの散歩がてら引き取りに行ってくれたのだ。  彼の気遣いが何より有り難かった。 「色々と有り難う。じゃあ行くね」  礼を言って出掛けようとしたところを、樹に呼び止められた。 「待ってくれ!俺も一緒に行く」 「えっ?……一緒にって?……」 「バイト先、人手不足なんだろ?俺もそこでバイトするよ」  樹の言葉に呆気にとられる。  確かに、アルバイト先では2人ほど辞めてしまったため、人手不足で求人している状態だが……。   「いいだろ?俺も親の金だけに甘えているのも良くないって思ってさ、社会勉強のために、バイト始めたいんだ」 「それは助かるし、良いことだと思うけど……」  突然の樹の発言に、真白は驚くばかりだった。
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