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どれ程眠っただろうか。
時計がないので時間もわからない。
男は苛立ち始めた。
新聞が読みたい…テレビが見たい…何よりも人と話がしたい…。
だんだんと欲望が込み上げ、それは再度、恐怖へと変わっていった。
このまま死ぬかもしれない。死んでも誰も気付いてくれないかもしれない…。そんな恐怖に苛まれ、男は叫び出した。
「誰かっ!誰かお願いだ!ここから出してくれ!情報を!情報をくれー!」
生徒は体育館倉庫に耳を傾けていた。いや、正確にはその中の音に。
「2時間36分か…。」
生徒はぽつりと言うと、それをメモに残した。
「おーい!そんなとこでなにやってんだよ。早くメシ食いに行こうぜ。」
別の生徒が駆け寄って来て言う。
「いや、今日はやめておくよ。」
「なんだ?腹の調子でも悪いのか?」
「いや、先生と賭けをしてるんだ。」
「? まぁいいや。とりあえず行こうぜ。」
食堂に向かおうとすると、猫のような鳴き声がした。
彼は、人が発狂死する前は、猫のような声を出すのだと学んだ…。
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