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見慣れた駅舎が少しずつ小さくなっていく。 電車の窓から見える景色はまだ変わらないのに、遠ざかる雲は北に流れていった。 長閑な田園の中を緩やかに走る列車の窓からは気持ちのいい風を肌に感じたが、私の心の中までは吹き込んでくれなかった。 まだ薄暗い早天の景色の中、心地良い列車の振動音がほとんど乗客のいない車内に響いていた。
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