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記録1
ボクを拾ってくれたのは、不思議な女の人。誰と聞いてみると、魔女と答える、女の人。
名前を聞いてみた。名前とは何かと聞いてきた。説明すると、納得した様子で頷いた。そして、そんなものはもう捨てたと言った。
理由を聞いてみた。一人ぼっちだからと答えた。誰かと区別される必要もないから、記号などに意味はないと、そう語った。
ボクは納得がいくはずがなかった。だって、名前はただの他人との区別ではないんだから。自分の存在自体であるのだから。番号を家畜に与えるのとは、わけが違うんだから。
じゃあ、君の名前を教えて。そう言われて、ボクは詰まってしまった。そういえば、こんなことを語っておきながら、ボクは名前で呼ばれたことなんて一度もなかった。あったのかもしれないけれど、とても回数は少ない。覚えていないくらいだから。
一緒にこれから考えればいい。魔女さんはそう励ましてくれた。
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