第二話

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第二話

 次の日。 学校に来るなり、アタシは驚いた。 「社会科の前村先生が亡くなったそうだ」 担任の先生の口から出た。先生は説明を続けた。 前村は昨晩、奥さんとお酒を飲んでいる時に、突然苦しみだして、病院に運ばれた時には既に亡くなったという。 アタシは目を大きく見開く。 なぜなら昨晩は前村を消すように念じていたからだ。 アタシは机に忍ばせておいたダークジュエルを手のひらに持った。 アタシが前村を……? これのお陰なら、前村と同じく、淳子も消すことができる。 アタシはダークジュエルを握りしめ、机の中に手を入れたまま、淳子が死ぬことを念じた。 先生が話している間中ずっと。 念じてから、それほど時間が経たないうちに、横からうめき声が聞こえた。 淳子は胸に手を押さえて苦しみだした。 異変に気づいた先生が淳子の元に駆けつけるが、淳子は椅子から転げ落ちて、そのまま動かなくなった。 周囲からは悲鳴が上がり、中には泣き出す人もいた。 教室内はパニックに陥った。 そう、アタシを除いては。 淳子の突然死から三週間が経ち、教室も落ち着きを取り戻しつつあった。 「今まで何もできなくてごめんなさい、宇城さんが怖くて逆らえなかったの」 昼休みに、かつて付き合っていた友人・ゆかりが声をかけてきた。 淳子が亡くなってから、アタシへのいじめ行為は無くなり、平穏な日々が戻ってきた。 淳子というリーダーが無くなり、集まっていた人間もバラバラになったのだ。 「もう過ぎたことだよ」 アタシはウインナーを口に運んだ。 「また友達になってくれる?」 「もちろんよ」 アタシは即答する。 断る理由は無かった。 もう淳子の恐怖に怯えることも無く、学校に来られる。そう思うだけで安心する。 アタシは空を眺めた。 空は清々しい青が広がっていた。
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