「見えちゃう」俺とビッチくん。

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あの件から一切話すこともなかったが、風の噂で、どうやら彼女は不純異性交遊を繰り広げ、「パパ活」なるものまで手を出していたらしい、と聞いた。 それからもおかしいことは続く。 触れた相手の感情がわかったり、握手をすると「記憶にないはずの記憶」が頭の中に流れる。 ネットで検索して、やっとたどり着いたのは、「超能力」。 初めてその文字を見たときは「馬鹿らしい」と思ったけど、それ以外では説明がつかないような体験は日に日に増えていき、とうとう俺はその嫌な体質を認めざるおえなくなった。     それから時が経ち、特異な体質ともなんとか付き合い方を覚えながら、大学に合格する事ができた。 そんなに良くない頭を鍛え上げ、なんとか入れたのは私立のちょっと頭いい、くらいの大学。それでも両親は十分に喜んでいた。 「テニスサークル入りませんかぁ」 「楽しいですよ!陸上」 「ええ、文化部なんで全然楽ですよ」 様々な勧誘の声の中を通り過ぎていく。 こういう場所は得意じゃない。 それに、入るサークルももう決まっている。 体育会系は飲みが多かったり、関係性が濃い。
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