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暇を持て余したのか、久我橋は、
「オイ、お前ちょっと来い!」
と、自分の仲間である1人を呼びつけると、
「手を出せ」と左腕を引き寄せた。
不意に、
さして静かでもない店内に異様な音がした。
何か柔らかい物が曲がる音と同時に、
「ぐあぁっ!」と低い苦痛の声。
久我橋は、
仲間の指をありえない方向に曲げへし折っていた。
それを見て、
「痛い?なぁ、痛いの?あはははは」
おかしくなったのか?
人質である客ならともかく、
なぜ仲間をいたぶっているのだろう。
笑い転げている久我橋を横目で見て、
アホらしくなってきた。
ただ、自分に被害が及ぶのもまっぴらだ。
わたしが同級生であることすら
忘れ去っていて欲しい。
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