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円陣の真ん中に立つと、魔導師ケアレ スミスが念唱しながら杖を振る。
円陣から激しい光が上がり、全身が痺れる。同時に、身体が浮き上がった行くような感覚がする。
「あっ。」
激しい痺れに、左手に持っていたビニール袋が指からするりと落ちた。慌てて拾おうとする。しかし、そこで意識は途絶えた。
背後から呼ばれて振り返る。そこには、真っ赤な顔の課長がいる。
「お前、わかってんな。マツヒトで買い物するのは、会社への裏切りだぞ。」
上司に叱られながら会社に帰る。それでもいい。絶世の美女によって魔法使いから卒業したのだから。
ひとつ問題があるとすれば、うちの会社は紛失した薬品は買い取り扱い。
魔法使いから卒業、そんなサービスを受けられる高級店での支払い以上の金額が、給料から天引きされること。
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