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次の日になった。私は会社に行く。車で三十分かけて一階がドラッグストアになっている七階建てのビルに入ると事務所がある三階に行く。私は健康器具を売っている会社で働いている。会社にいるのは営業職の男の人が十人に事務職の女の子が三人だ。
私はパソコンの電源を入れた。七色のパラソルが置いてある砂浜の画像がデスクトップの背景だ。ファイルをクリックして請求書の内訳を入力しているエクセルの表を立ち上げる。隣の席に座っている芳美ちゃんが話し掛けて来た。
「夢佳ちゃん、昨日のお昼休みに電話でイグアナを貰うとか言ってなかった?」
その通り。昨日、知りあいからイグアナをくれると話を聞いた。相手はお母さんの職場にいた人だ。実家に居るときによく家に来ていたので仲良くなった。年齢はお母さんと変わらない。バツイチで子供がいないんだという。イグアナを手放してトイプードルが飼いたいんだとか。犬なら子供の代わりになりそうだ。昨日観たトイプードルも可愛かったし、イグアナよりもいいだろう。でも私は爬虫類がいい。
「イグアナを飼おうと思ってるの。芳美ちゃんは興味があるの?」
「うん、飼ったら見に行きたい。爬虫類が好きなの。イシガメを飼ってるんだよ」
へえ、爬虫類好きの子って意外に多いんだな。
「イシガメって可愛い?」
「可愛いよー。私の手からはパクって亀の餌を食べるの。他の人では顏を引っ込めるのに」
「そうなんだ。飼い主が分かるんだね」
私はそう言って頬をあげた。
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