浮かれたカウントダウン 6

1/1
前へ
/35ページ
次へ

浮かれたカウントダウン 6

(舞台上) 夕方のかぼちゃ畑。 オレンジのかぼちゃと、緑のかぼちゃ。それにピンク色のかぼちゃも時々混ざっている。かぼちゃの少女が立っている。 手は泥で汚れおり、時々カラスの鳴き声。  ()かれたカウントダウン かぼちゃの少女は数が苦手。 かぼちゃ頭をカラスに(つつ)かれながら。 少し自信なさげに手元を見つめ、 拾ったレシートの裏に書いた数字を見ながら 「 (ロク)……かな」 …○…○…○…○…○…○… 「ずいぶんね」 タキシードの男は、客席からほっと息をつく。 消えるようにライトから下がった少女は、 暗転の中 ぐらつくかぼちゃ頭を両手で押さえている。 気をつけて、あなたのは本物で あなた自身も本物だから。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加