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束の間の退屈時間の過ごし方①
「ふう…暇だな。」
やっぱり勇者君達が苦労してる姿を見るのが、楽しかったらしく…その後はどうも楽しみに欠ける退屈な時間なようだ。
「そんなにわけで…強制召喚。」
俺はこの空間のルール上、悪意満点な物は呼べないが暇潰しになるなら何でもこの際何でも良い。
永住者でも何でもこいだ。
「うぐっ…ひっく…ここ…どこ?」
「うわぁ…なんか、変なの出てきたわ。」
「おじちゃん…誰?」
「おじちゃんね…せめてお兄さんと呼びなさい。」
俺はまだおじちゃんと呼ばれる心構えは出来てないので、お兄さんと呼ばせることにした。
種族は人間、性別は女…心構えが良ければ勇者君の力添えになりそうな感じだの。
「なんで君は泣いてたの?」
「えっと…魔物に襲われて…逃げて…追い詰められて…お父さんとお母さんが…うぐっ…ひっく。」
「それでそれからどうするの?」
「…お父さんとお母さんを殺した魔物を同じ目にあわせてやりたい。」
「じゃあ、特訓だな。」
「特訓…?」
「この場所では特訓が出来るのさ。」
女の子の目的はともかく、まずは特訓をしないとお父さんとお母さんを奪った魔物に太刀打ちできないからね。
特訓の間まで連れてきて、特訓をさせてみることにした。
「この中に入れば特訓できるの?」
「もしも、出てこなくなったら帰っておいで。」
「う、うん…わかった。」
女の子は恐る恐る特訓の間へと入っていった…が、中に出てくる魔物に驚いてすぐに出てきた。
「駄目!!怖いよう…。」
「怖かったら、一生、魔物をなんとか出来ないけど…それで良いんだね?」
「…良くないけど。」
「だったら、頑張って。」
「う…うう~。」
まあ、まだ小さな女の子には酷だろうけど…。
目的が目的だからね、魔物くらい倒せないと前に進めないし。
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