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「はぁ~………」
翌日、俺は大学に来ていた。次の講義がある教室の机に突っ伏してクソデカため息をついた。
「響生、何でっかいため息ついてんだよ。」
俺の様子に見かねた友人が声をかけてくる。
大学に入って最初にできた友人で、マッチングアプリを勧めてきた張本人だ。
俺が男性と何度もマッチングしていることも知っていて、俺の理解者でもある。
「あ~……実はさ………」
俺は友人に昨日あった出来事を話した。昨日カイリと直接会ったこと、カイリの性格のことなどを事細かく説明した。
「なるほどね、何となく想像ついたわ。それで?彼とまた会う約束とかはしたの?」
「あぁ、半ば強引にされた。今朝『また会ってくれないと住所特定しちゃいますよ。それでもいいんですか?』って言われて。なんか怖くなっちゃって。」
「そりゃ怖いな~。お疲れさん、なんかあればまた聞くぞ。話聞くだけしか出来ないけど。」
そう言ってクシャッと笑う友人はとても眩しく見えた。
「……お前…良い奴だな。」
「俺はいつでも良い奴だぞ~?あ、ケツ痛いだろ、揉んでやろうか?」
「揉んでなくなる痛みじゃないわ!」
バカみたいなやり取りに、俺の心は少しだけ救われた。そして、いつものように今日の講義を受けた。
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