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「……んっ…」
目が覚めると、俺は自分の部屋にいた。
「あれ…さっきの、夢?ていうか……俺いつの間に帰ってきてたんだ……?」
辺りを見渡す。
特に変わった様子はないと思って安心していたが、よく見ると俺の手足は拘束されていた。
「……は?何だよ、これ…?」
手も足も頑丈な縄で縛られており、いくら頑張っても解けなかった。
「嘘だろっ…!?何でっ……!!」
俺が縄を解こうとしていた時、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ダメですよ、解いたら。」
声がした方を向くと、ニコッと笑うカイリがいた。
「……カイリ…。」
「俺の本名知ってますよね?その名前で呼んでくださいよ。」
俺がカイリと呼んだ途端、カイリから笑顔が消えた。
俺は恐怖を覚え、恐る恐る口を開く。
「……海斗…。」
俺が訂正すると、彼は満足したのか再びニコッと笑みを浮かべた。
「よくできました。」
彼に笑顔が戻ったところで、俺は彼に質問することにした。
「な…なぁ……なんでこんなことするんだよ。それに…なんでお前が俺の本名や住所を知ってるんだよ!お前は俺を縛って何がしたいんだよ!頼むから…俺を解放してくれよ!!」
俺がそう言うと、彼の顔から再び笑顔が消える。
そして、一言も話そうとしない。
「おい、聞いてんのか!?」
俺がそう聞くと、彼は手に持っていた小瓶の蓋を開け、中身を俺に飲ませた。
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