一話 これを人は初恋と呼ぶのだろう

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 視線の合った色岡真優は、にっこりあたしを見てほほ笑んだ。  手はしっかり女の人の腰に回ったままで! 「!?」  そしてひらひらと手を振って去っていった。  ……うわああ。軽っ! チャラ!  なんなの、あいつ……。 「あああああああああああああああああああああああああああああああ」 「公共の場で叫ばないでくださいお嬢様!」  あたしはほのかに口をふさがれる。  だってさ! 叫びたくもなるよ!?  そして気が付けば消えている色岡真優。  もう二度と見たくもない……。 「あああああああ! もう! 帰って現実逃避に徹夜で映画見るよ!?」 「……承知しましたお嬢様」  ほのかはどっと疲れた様子でため息をついた。  すぐに車を呼び出したあたしは、家に帰ってノンストップで甘い恋愛映画を見ることにしたのだった。
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