一話 これを人は初恋と呼ぶのだろう

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「……色岡真優(いろおか まゆう)君?」 「そぉだよー。先輩。先輩は確か佐藤胡桃(さとう くるみ)先輩でしょ? 知ってるよ。フリフリの服着たかわいいお姉さんが三年生にいるって。ねーねー。お腹すいてるからお願い。なんでもシてあげるからさー」 「…………」 「気持ちよく、してあげるからぁ」  甘えた声で彼は言った。  だけど当然、答えは決まっていて。 「……お断りします」 「え」 「変態、破廉恥、気持ち悪い! あたしそう言うの大嫌いなの! どっか行って!」 「なんで? ヤれば幸せな気持ちになれるよ?」  キョトンとした幼い顔で、真優は言った。 「最低!」
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