一話 これを人は初恋と呼ぶのだろう

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 胸が揺れるだの、エロいだの。  さんざん言われたし、そういう目でも見られてきた。  それが嫌で嫌でたまらなかった。  女の身体に出来上がってく自分が苦しくて気持ち悪くて。  それに、あんな事件があったから――。 「うえっ」 「お嬢様!?」 「……ごめん、ちょっとやなこと思い出しただけ」 「具合が悪いなら保険室に行きますよ?」 「大丈夫、ほのか。そんな必要はないから」 (せっかく忘れて生活してたのに……色岡真優めっ……!)
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