感謝

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――次郎さん、善次郎さん、善次郎さん。 口にはしていない。 耳に届いたわけではない。 それでも声は届いていた。 俺の名を必死に呼ぶ雪乃さんの声はしっかりと俺の心に響いていた。 切り捨てようとしているのは自分の身であるというのに、彼女は俺の幸せを必死に願っていた。
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