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それから、オーゼムはぼくたちをジョンの屋敷へと誘った。ここが人間界にいるための最後の理由だと言って、屋敷の地下の扉を開いた。
屋敷の地下には、凍った女性と男の死体があった。
凍った女性は死後。幾ばくか経っていた。
もう一つはつい最近まで生きていた男の死骸だった。
「これが、もう一つのジョンの望んだ結末だったのでしょうか。ジョンの最愛の人も古代の魔女でした。大昔から生きていましたが。ですが、ジョンは納得いかなかったのでしょう。殺害したのは誰だったのでしょう? これは私にもわかりません。けれども、モート君ではないでしょう」
オーゼムは首を左右に振り、信じられないと言った顔だった。
「ジョン……叔父さん……何故……?」
その言葉を言ったのは、ヘレンではく他でもないアリスだった。
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