始まりは唐突に

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始まりは唐突に

「…ん、んん…ここは、何処だ?」 頭に残るは余りにも悲惨な記憶…だけど、ここは病院じゃない。 病院じゃないのなら、ここは何処だ? 上も下も周りも真っ白…後見てないのは後ろか? 「やっと目が覚めたようじゃの、北野裕太君。」 「どうして俺の名前を…?」 「たまたま目に付い…ごほんごほん、君に白羽の矢が立ったのじゃ。」 たまたま目に付いたからと言いかけたな…つまり、俺はあんたに殺されたのか? 「…まあ、一回なら大丈夫だと思うじゃろうから、ついつい面白半分で五回程…ん?なんじゃ、その顔は?」 「一回だけでも十分死ねるわ!!」 「ふぉふぉふぉ、いやあ済まん済まん…お詫びに異世界転生させてやろう。」 「それがお詫びなら、今すぐはねられたことをなかったことにしろ!!」 始めに曲がり角でトラックではねられた拍子にまたトラックではねられての繰り返しだからな!! 普通に原形なんて留めていないっての!! 「それは無理じゃな…君が死ぬのはほぼ確定していたのじゃ、それを確定にしたのは儂の仕業じゃがの。」 「なん…だと…!?それでは遅かれ早かれ、俺は死んでいたのか…!?」 「そういうことじゃの、君を異世界転生させる話も実は決まっておったことじゃしの。」 「はい?なんで俺を?」 「上からの命令…としか言えんのう。」 上からの命令で俺を異世界転生…訳分かんないな。 まあ、もう一回人生をやり直せると思えば良いのかな?
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