第一章 西園寺学園 1

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 矢野 晴樹 side  あぁつまらないものですね。この学園は。 長年通っているものですから知っている人のほうが多いですしね。 何か面白いことでも起きないでしょうかねー。 …花壇の花に水でもあげてきましょうか。 そこに誰かわからない学生が見えた。 キョロキョロと周りを見回している学生は ぎこちなくこの学園の制服を身に着けている。 見覚えのない人ですが…でもあれはうちの制服。。 …ちょっと暇つぶしでもしますか。 帰るようなしぐさをし始める彼。 「そこの根暗くん。何してるんです?」 声をかけると彼はダルそうな顔をしてふりむいた。 あぁあの転入生とやらですね。 それにしても細身な人だ。 目が隠れるまでのばされた黒い髪、分厚い黒眼鏡。 透き通るような白い肌。 見た目はすごく根暗って感じなのですが・・・。 引き込まれる感覚に襲われる。 門を開けてくれと頼んできた彼に 「( ^ω^)・・・。嫌と言ったらどうしますか?」 と意地悪なことを言ってしまった。 彼は笑顔で「・・・言いませんよね?…ね?」 と返してくる。髪で隠れて見えない彼の顔が一瞬見えた。 綺麗だ。 それでしかなかった。ただただ本当に綺麗で・・・。 美しかった。 顔が赤くなっているのが自分でもよくわかる。 名前が知りたい。とっさに言葉をはなった。 彼はにこやかに笑い、名前を教えてくれた。 真田 修也ですか・・・。 楽しくなりそうです。
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