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「あ……すみません。少し聞きたい事が――」
「あなた、さっきから生徒たちを見ていたそうですが、何かご用ですか??」
校門から出て来た生徒に声をかけると、横からスーツを着た教職員らしき女性が間に入ってきた。
ドキッっとした。勿論、この女性がスラッとしたモデル体型の眼鏡美人だからではなく、女子校とは無縁の僕みたいな人間がこんなところにいるという現状に狼狽えて心臓が縮み上がってるという意味でドキッっとした。
実際別に如何わしい事がないのだから慌てる理由もないのだけども。
ま、まぁ先生だろうが生徒だろうが、情報が聞ければ誰でもいい。
「あ、すみません。少し聞きたい事が……」
同じ台詞を繰り返す僕。だが、次の瞬間に見た光景で言おうと思っていた言葉が一瞬で吹っ飛んだ。
「話だったら署で聞くよ??」
どこから現れたか、警察官がそこにいた。
これは完全に変質者扱いではないか……。しかしここで逃げれば尚更怪しまれる。しかも、もしホシノに捜索届が出ていたら更に僕の存在は怪しくなる。だが、この場合は当の本人に説明して頂くのが一番なのか……。
僕は後方にいるホシノをチラリと見たが、彼女の姿はなかった。
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