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雷亜と達也が交換留学で入った学校は、カリフォルニア州では歴史の深い公立高校だった。
公立といってもアート面とスポーツに力を入れており、映画監督や画家。NBA、NFL選手など、この学校出身で活躍している人も多い。つまりは優秀な生徒ばかりってことなんだろうが、そんな所に何故雷亜なんかが入れたのか今でも謎だった。
現在、そこに通う日本人は雷亜と達也だけだというので、マイノリティが重視されたのかもしれない。
達也は雷亜が入ってくる新年度の9月ではなく、6月から留学していた。アメフトをやりたくて留学してきた達也は、アメフトのシーズンに合わせたのだ。
しかし、達也は雷亜と同じく170cmくらいの小柄な体だったから、アメフト部にどうして入れたのか雷亜は不思議だった。だから、
「日本人がアメリカでアメフトなんか出来るの?」
と訊いたら、烈火の如く怒られた。
どうやら達也に言わせると、自分なりの強みを持ってそれを生かせれば問題はないスポーツだと言う。
「人を見た目と自分勝手なイメージで判断するんじゃねえよ、クソ野郎が!!」
──バカ!間抜け!と、散々怒られてしまった。
それならさっき雷亜に向けた暴言は一体何だったのか……。
「何で親父はお前を同じ学校に留学させ、更にはホームステイ先も同じにしたんだ?!お陰で楽しみだった留学生活が最悪な気分になったぜ!」
と、タクシーの中でも、また思い出したように憤り始めた。
それは雷亜にしても同じだった。いつかはアメリカに行って、あの子を捜そうとは思っていたが、雷亜は叔父にその事を話していないのだ。
雷亜にとっては、この留学であの子を捜せたら万々歳だが、叔父のメリットがよく分からなかった。
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