明日への足跡

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惰性のように流れただけの日々の中で 勢い任せに乗り越えられてきたのは きっと誰かに守られていたから ふいに放り出された新しい世界の手前で はっきりと刻まれた深い一線を超えられずに 戸惑っている自分に気が付いた あぁ なんて無力なんだろう でも本当は何でもできるよね? いつだってどうにかなってきたんだからと 必死に言い聞かせてみるけど だけど感情なんていう曖昧なものでは 自分の未来を選べない 私は何を怖れているのだろう だけど論理なんてものは面倒で 考えてもすぐ忘れていく 私そんなに難しいことわからないし知らないんだから 未来について悩むことなんて 本当は時間の無駄なのかもしれない 思い付きで生きてたって 辿り着く結果は同じなのかもしれないな 今日明日の選択肢を 正解だったり間違いだったりって 私はいつどのタイミングで 評価したらいいんだろう そんなこと考えるにはまだ早いのかな これから先どうなるかなんてわからない 結論なんてのは 全部終わっちゃうその日まで わからないよね わからないんだ 何かを為さなきゃいけないのだと それが生きるということなのだと 目に見えない何かがいつも私を焦らせる 頭のどこかではそんなこと無いのにと思いながらも ずっと焦燥している自分がいる そんなふうに感じてしまうから 何でもできそうで何にもできなさそうな 至らぬ自分に未来を怖れ 二の足を踏み 本当はここまで来てる衝動にも 気付かないふりをして 立ち止まって道を選んでいるふりをしてる でもこうして私は迷っているだけで 一体何を手に入れるだろうか 明日に残せる足跡なんてあるのだろうか 私を踏みとどまらせている 目に見えないつながりやしがらみを 振り払ってしまえば走り出せるかな そう 本当は私 走りたいんだ その先へと もっと先へと 全力の自分で駆け抜けてみたいんだ 一人でも 同じ歩幅を持つひとたちとも 何も為さずともかまわないんだ 意味なんて無いんだ 要らないんだ 明日へと走り出す この足がある ただそれだけ ただそれだけの私がいる ただそれだけのことなんだ いいよ 行くよ この線を踏み越えた向こうには 見たことの無い 私の本当の世界があるから 行くよ
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