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凛子はサッと電話の横に置いてあったレースのハンカチをとるとそそくさと出ていった。
「……おまえたちは、意地悪ばあさんと小姑だな」
義父が2人に向かって言った。
「なっ!私はなにも意地悪なことなんてしてないですよ?」
「やめてよー、おとーさん」
「お前と姫子の命を足しても幸人1人分には足りないんだ。それは分かってるだろう?あれはうちの長男だぞ。責任の取れんもんが、騒ぎを起こすな」
それだけ言うと義父は静かに立ち上がり自室へと入っていった。
残された2人。
「ごめん。おかーさん。次はもうちょい上手くやるわ」
「上手くって……あなた……」
また、開いた口が塞がらない義母なのであった。
◇◇◇
凛子たちは無事にお宮参りを終えた。
最後に神社でパチリと写真を撮る。嬉しそうに幸人を抱く母親と寄り添う父親。これで少しは親孝行出来たかな、と凛子はおもった。
そして車で家に戻り、食事をみんなでとったのであった。
今回の仕出し屋さんはここら辺では有名どころ。新鮮なお刺身や焼き物、天ぷらや赤飯などがあり、それは美味しくいただいた。
そして、夕方には母親と父親は帰っていった。
┈┈┈凛子はその帰る車をずっと見ていたのであった……。
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