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愛しているとまではいかないが、かなり政宗のことは好きになってきているのだ。
そう言えば政宗は納得するだろうか。
「政宗さんのこと、最初は怖かったですけど…今は怖くないです」
「最初か……お前を手に入れたことが嬉しくて抱き潰してしまったからな……」
「でも、あの日だけです。政宗さんが怖かったの。今は優しいですし……一緒に居る時間を楽しいって思えます」
圭の言葉を聞いて、頑なだった政宗の表情も少し穏やかなものになってきて……政宗は思い直したようにソファに腰を下ろした。
「アイツが迎えに来ても行かないか?」
「行きません。ここに居るって決めたんです。置いてくれますよね?」
「当たり前だ。お前は……俺のものだ。愛してるんだ……何処にもやる気はない」
政宗から初めて愛していると言われて、圭は嬉しいと思った。圭は自分で思っていたよりも、かなり政宗に心惹かれている。
ストレートな政宗の言葉は、圭の心を大きく揺さぶっていた。
「………なんでこんな告白みたいになったんだ?恥ずかしいな……」
「政宗さんの気持ちが聞けて嬉しかったです。言ってくれないと分からなかったから」
「呆れてないか?色々……」
「全然。むしろ政宗さんのこと、前より好きになりました」
好きという言葉が自然に自分の口から零れてきて、圭は驚いていた。
政宗が素直に愛を告白してくれたことで、圭の中で政宗に対する好意は急激に高まっている。単純で恥ずかしいと思いながら、悪い気はしなかった。
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