第13話

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食事を終えて、圭が風呂に入っている間に早坂は政宗に連絡を入れた。 『圭は大丈夫そうか?』 「はい。少し元気がない気がしますが……ボスに会えなくて寂しいんじゃないすか?」 『ちゃんと守ってやってくれよ。もう二度とあの子を危ない目に遭わせたくないんだ』 「今夜は交代で起きてますんで安心してください。明日には雨も上がるみたいですね」 『向坂と遺体の確認に行ってくる。その後、圭は……アイツに預けようかと思う』 政宗からアイツに預けるという言葉を聞いて、早坂は眉を顰めた。 颯馬に圭を託して堅気の世界で守ってもらう……その案を聞いた時、早坂は強く反対した。政宗と圭がお互い思い合っているのは分かっていたので、あえて別れる必要はないと思ったからだ。 ボスには考え直すように言ったのに……。 「ボス、圭ちゃんはボスのこと大好きですよ。ボスだってそうでしょう?」 『圭のことは愛してる。だからこそ俺の傍なんかに置いておいたらいけないんだ。圭が幸せになれない』 「それは圭ちゃんが決めることじゃないんですか?」 『圭は元々あの男が好きだったんだ。俺が身を引けば……またよりが戻るだろう』 「本気で言ってます?そんな馬鹿なこと」 政宗は圭のことが好きすぎて、まともな判断が出来なくなっていると早坂は思っていた。 颯馬が圭を攫った時のことを政宗が忘れたとは思えない。 あの時の圭の様子では、完全に颯馬から政宗に心が移っていた。颯馬のところに、圭が大人しく戻るだなんて思えない。
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