第13話

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あのまま颯馬さんと一緒に居れば、愛人として僕を一生大切にしてくれたかもしれない。 でも……颯馬さんの奥さんや子供のことを考えたら、僕はきっと颯馬さんの傍に居るのが辛くなっただろう。 「颯馬さんとは運命的に出会いましたけど……最初から別れるのは決まっていた気がします」 「じゃあ、ボスとは?」 「政宗さんとは……」 政宗とは胸の高鳴るような運命的な出会いではなかった。むしろ苦手な政宗の元に来るのは、苦痛だとさえ思っていた。 それが今は、こうして少し離れただけで寂しくて傍に居て欲しいと思っている。 颯馬の時とは明らかに違う。 政宗とは一緒に歳をとって生きたい。 傍に居続けたいと思っている。 「僕、政宗さんのことが大好きです。お荷物だと分かっていても、借金を言い訳にしてだって離れたくないって思ってます」 早坂に対して真っ直ぐに答える圭の返事を聞いて、早坂は心底安心していた。 ほら見ろ。 圭ちゃんの気持ちは揺るぎないものじゃないか。ボスが色々考えたって圭ちゃんの心は決まってるんだ。 そう思って圭に微笑みかけると、圭は急に自信のなさそうな顔になってしまった。 「でも、やっぱり狡いですかね……。政宗さんに僕は相応しくないって分かってて離れないだなんて……」 「いや、安心した。ボスはモテるけど恋愛に関しては疎いからさ。面倒な人だけどよろしく頼むよ」
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