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政宗の右腕とも言える早坂にそう言ってもらえて、圭はとても心強かった。
政宗の傍に居てもいいと、言葉に出して言われたことが物凄く嬉しい。
「圭ちゃんもボスも、お互い遠慮しあってて会話が足りてない気がするよ」
「そう見えますか?」
「ああ。圭ちゃんはもっとボスに素直になって甘えた方がいいと思う。きっと喜ぶよ」
「努力してみます」
政宗さんには十分甘えている気がするけど……。早坂さんがそう言うなら、もう少し素直になって甘えてみようかな。
「さ、もう寝なよ。明日はきっとボスも戻ってこられるから」
「はい。早坂さんも休んでくださいね」
圭は寝室に戻るとベッドに横になって目を閉じた。窓から聞こえる雨の音も小さくなってきている。早坂の言う通り、政宗はきっと明日は帰ってきてくれるだろう。
退院してから政宗との仲は少しぎくしゃくしていて困っていたが、迷惑をかけたという負い目から会話をするのを諦めていた気がする。
颯馬の元を去った時、きちんと話もしないで去ったせいで颯馬の気持ちが拗れてしまったことを圭は思い出していた。
同じ失敗を繰り返したくない。
だって政宗さんとはずっと一緒に居たいんだもの。
政宗さんが帰宅したら話をしよう。
また迷惑を掛けてしまうかもしれないけれど、傍に居たいと。一生傍に置いてくださいとお願いしよう。
政宗さんも同じ気持ちなら嬉しいな…。
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