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納得のいかない結末で、この件は引き続き調査していく必要がある。向坂にバレないように調べないといけないと政宗は思っていた。
政宗の野生の勘が向坂はクロだと言っている。
この件が表向きに一応終了したとはいえ、これからも向坂に対する警戒は緩めるつもりはなかった。
本部に戻って望月に報告を終えると、時間は早かったが政宗は一度帰宅することにした。
圭と話をしないと……昨日からずっとそう思っている。
早く圭の顔を見たかった。顔を見て話がしたかった。
「圭、帰ったぞ」
いつもよりもかなり早い時間に帰宅した政宗を、圭は嬉しそうに出迎えてくれた。
にこにこと笑顔を見せてくれる圭に、政宗は癒されるのを感じていた。
「お疲れ様でした。政宗さんが早く帰ってきてくれて嬉しいです」
これからは素直な気持ちを話そうと決めた圭は、思っていたことをそのまま口にした。
素直な圭が可愛くて、政宗はふっと笑うと圭の頭を優しく撫でた。
「早坂達が居ただろ?」
「早坂さん達が来てくれたのは嬉しかったですけど……政宗さんに会いたかったです」
「圭……話がある」
圭から珍しく甘えた言葉を聞けて、政宗は話をするタイミングは今だと思った。
圭の本当の気持ちを確かめるのは今しかないと。
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