第14話

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颯馬の元に戻りたいかと聞かれて、圭は頭を殴られたような衝撃に襲われた。 颯馬の元に戻りたいだなんて全く思っていない。政宗がどうしてそんなことを言うのか。 それは自分を厄介払いしたいからではないのか。 圭は俯いて泣かないよう堪えた。 泣いてしまったら話ができない。きちんと話すと決めたではないか。 「政宗さんは……僕を颯馬さんのところに戻したいんですか?もう、僕は必要じゃないんですか?」 「そうじゃない。ただ、アイツの元に居た方がお前が幸せになれるんじゃないかと思って……」 「僕の幸せをどうして政宗さんが勝手に決めるんですか?」 「俺は圭に幸せになって欲しいんだ」 できれば俺と幸せになって欲しい。 圭、俺と居たいって言ってくれ。 その言葉が聞けたら、俺は……。 「政宗さんは僕と一緒じゃ幸せになれませんか?」 「は?いや、そうじゃなくて……」 「僕は……政宗さんのこと…」 圭はもう限界だった。 政宗から遠回しに別れを告げられていると思い、堪えていた涙が溢れ出す。 例え別れを切り出されても足掻いてみようと決めていたが、実際にこうして話されると想像以上に辛いものがあった。 「圭、泣くなよ。泣かせたい訳じゃない。俺はただ……」 「それ以上、聞きたくないです……」 圭は耳を塞いでソファから立ち上がった。 別れようと言われたらお終いだ。その言葉だけは絶対に聞きたくない。
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