0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
夕暮れの音楽
僕は、出張から帰ってきました。駅を出たら、辺りはもう真っ暗です。町内放送の音楽がかかっています。
ゆうやけこやけで ぶ ひがくれて べ
やま ぼ のおてらのかねがなる ぶ
時計を見ました。この町で、この音楽が、この時間に流れます。昔の曲です。リズムはのんびり、音程は独特、歌詞は個性的です。
僕は、今日この曲をかけるのを休みました。明日からはまた僕が、この曲を放送で流す係に戻ります。
「おかえりなさい」
役所の入口で、後輩の新見さんが迎えてくださいました。環境推進課のフロアに入ると、部長の古谷さんが僕に手を挙げていらっしゃいます。
「出張お疲れ様」
はい。僕は古谷部長に書類をお渡し致しました。
最初のコメントを投稿しよう!