第一話『緑の双子人魚』

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オーフェンの後を追って水路に入るが、すーっと泳いでいってしまう彼について行けず、遅れてしまう。 「待って」 手足をバタバタ動かすが、僅かにしか進めない。 このまま置いていかれるのかと思い、セルシアの方に戻ろうと体を反転させた時 「ごめん、君が人間だと言う事を忘れてた」 耳元でオーフェンの声が 「え…キャッ」 後ろから体を抱き抱えられ、お姫様抱っこをされる。 「暴れないで。狭いから頭や体を岩にぶつけてケガするよ」 「う、うん…」 オーフェンの腕の中で大人しく縮こまり、過ぎて行く風景を眺める。 「マーマンは皆此処で暮らしているの?」 水路で行き違うマーマン達。岩穴から顔を覗かせてこちらを窺う者も。皆顔の作りは男性のものだ。 「そうだよ。此処はマーマン達の砦。女はいないのさ」
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