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オーフェンの後を追って水路に入るが、すーっと泳いでいってしまう彼について行けず、遅れてしまう。
「待って」
手足をバタバタ動かすが、僅かにしか進めない。
このまま置いていかれるのかと思い、セルシアの方に戻ろうと体を反転させた時
「ごめん、君が人間だと言う事を忘れてた」
耳元でオーフェンの声が
「え…キャッ」
後ろから体を抱き抱えられ、お姫様抱っこをされる。
「暴れないで。狭いから頭や体を岩にぶつけてケガするよ」
「う、うん…」
オーフェンの腕の中で大人しく縮こまり、過ぎて行く風景を眺める。
「マーマンは皆此処で暮らしているの?」
水路で行き違うマーマン達。岩穴から顔を覗かせてこちらを窺う者も。皆顔の作りは男性のものだ。
「そうだよ。此処はマーマン達の砦。女はいないのさ」
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