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ウチら最強!
「今日、一緒に帰ろうよ。」
侑香が未藍に声をかけた。
「オカルト研究部に入ってから、ウチら全然帰りに遊ばなくなっちゃったね。」
「ほんとだね。」
「昨日、輪廻転生の話をお母さんとしたの。そしたら『お母さんだったら次は別の人と結婚したいわ』だって。
『結婚したことのある人は皆んなそう言うんじゃない?』って夢がないよね。」
「私も、結婚したらそう思うのかなぁ。」
「なに? 未藍ちゃんは、もう不安なの? 」
「うううん。不安なんじゃなくて将来なんて誰にも分かんないじゃない? ってこと。
分かんないなりに皆んな将来を決めてんだなぁって思っただけ。」
「その時がきたらその時よ。その時考えるしかない! 私は学んだよ。」
「ユウ、さすが。」
久しぶりに中学からの友達、沙耶と待ち合わせをしている。
「未藍ー!侑香ー!久しぶりっ。元気だったぁ?」沙耶はちっとも変わらない。
「なんか2人とも大人っぽくなってない?」
「いろいろあったからね。」
「いろいろって? 気になるぅ。」
「いまが最強って話!」
「ますます分かんない〜。」
「いまが最強!ってずっと言ってたいね。」
未藍と侑香と沙耶は、くっついて笑って走ってまた笑った。
通りすがりの女性が振り返って、彼女たちを懐かしそうに見ていた。
- 完 -
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