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飛べ!フライヤー
着信音とともに、友達の友達から送られてきた画像には怪しい言葉が書かれていた。
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『神様に1番近い町』
天の巨人さんと光る巨石遺跡が残る坂下町。ここは神様に1番近い場所。
20XX年9月22日(秋分の日)pm8:30 START
秋分の日は神様に願いが届きやすいんだって。そんな日だからこそ!ぼくらの未来が明るく平和であることを願って、3分間のライトアップ作戦を行います。神様に届けよう!ぼくらの願い。
参加方法:スマホのライトを夜空に向けるだけ
参加資格:地球の住人どなたでも
※このフライヤー画面をSNSにアップしたよー!と連絡をくれた方5名様に 天の巨人さん人形をプレゼントします。
主催:坂下高校地域歴史研究部
ホームページ:http://xxxxxxxx.co.jp(ノゾミオカルティカ)
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「なにこれ? 怪しいぃ〜チラシ! ライトアップ明日やん。」フライヤー画像を見た理花は、1つ年下の妹に画面を見せた。
「あーん? やってみれば。宇宙人と交信できるもよ。」と、妹はスナック菓子を口に放りこんだ。
「そんなこと書いてないし。なにこの人形、きもい可愛いどっち? 誰これ? スマホ空に向けてポーズとってるしぃ〜! で、このノゾミオカルティカって何なのー?」どうやら理花のツボに入ったらしい。
「えぇ? ノゾミオカルティカ?!」妹がソファから飛び起きる。
「うわっ! お菓子のクズ落ちた。あんた知ってんの?」
「高校生絵師だよ。イケメン描いたり、綺麗系BL描いたりしてるよ。」
「その子有名なんだ?」
「有名ってほどでもないけど、ファンはついてるみたいよ。うちの高校だったんだ、へぇ〜。あたし参加してみよっかな。皆んなでライト照らすの楽しそうだし。」
「さっきまで宇宙人と交信って言ってたくせに!」
「じゃあさ、コウジとかヨッちゃんも誘おうよ。2人だけだとやった感ないし。」
理花は近所に住む従兄弟にもメッセージをつけ画像を送った。
『いろんな人、誘ってだって〜』
ライトアップ作戦は、坂下町の若者を中心にじわじわと広がっていった。
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