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少年は、不思議に思いながらも、安堵の息を漏らした。しかし、違和感は続いた。自分の肌を打ち付ける雨粒が一切音を立てないのだ。
何かおかしいと思い、周りを見渡していると、頭上の街灯が照らす水溜りは、赤く染められ、耳が無くなっている自分の姿を映し出していた…。
この町には、変な噂があった。なんでも、どこからか声が聞こえたと思うと、ピタリと聞こえなくなるという、怪奇で不思議な現象が起こる。
そして、その現象に襲われた人間は、音を落として失った、音失者となるという…。
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