10人が本棚に入れています
本棚に追加
オレは音楽室をノックする。Mも入ろうとすると、リンバちゃんがMの耳元でコソコソ。Mの腕をつかんで離さない。
「ぼくとリンバちゃんはとなりで曲の打ち合わせしてるから、おふたりでごゆっくり」と、Mはリンバちゃんとブラバンの部室へ消えた。
なんか怪しいな・・・もしかして付き合ってる?それなら、リンバちゃんの命が危ないぞ。学校の全女子(と一部の男子?)がMを狙ってるからな。それとも、オレは嫌われてるのか?もしかして、オレらの友情に不協和音ってこと?
確かに、バンドができるまでは、Mとオレはずっとつるんでた。でも、バンドができて、あいつはギターを校長先生(うちのバンドのリードギタリスト)に習ってるし、リンバちゃんとラテン音楽の話しをよくしている。オレはコードやホーンアレンジはキィ子に聞くし、英語の歌詞はオフクロ(帰国子女、ボストン留学歴あり、ロニーなる男性とのロマンス疑惑)に相談する。
なんか、Mと一緒にいる時間が減っている感じもする。オレにとってはかけがえのない唯一の親友。だけど、あいつは万能の天才でイケメンだから、取り巻きも大勢いる。オレなんか、数多い友達のひとりってだけなのかもしれないな。なんか夕焼けが目に染みるぜ。
最初のコメントを投稿しよう!