夜叉の恋

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気がつくと、 銀の長い髪に、青にも光の色にも見える不思議な瞳を持つ鬼が、わたしを見つめていた。 その手はわたしの手を握ってる。 ああ、温かい…… 夜叉が生きてそばにいてくれる。 声にならない想いは、夜叉の手を握りしめると涙が流れた。 「楡磋、これからふたりで生きていこう。寿命が尽きて土に還るまで俺たちはずっと一緒だ」 夜叉のくちびるが涙の浮かぶわたしの頬にくちづけた─── 完
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