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小説応募というのが好きだ、なんとも夢がある。
最優秀賞作品は文庫化!賞金100万円!なんて謳い文句、まったくもって心が躍る。
夢を抱えた人間がこぞって自分が作り上げた世界を紙に記したりデータにしたりして送るのだ、審査員のもとへ。
指先が描いた小さな人生の一端を採点されていく。
組み上げた文章を解剖し、一つ一つ正誤を調べる。
己の中にあった幻想を現実に生み出し、外の目をもって皮を剥ぐ。
可愛い可愛い作品たちが多くの人の前で拓かれる。
まったくもって興奮する、誰しもが通る道。
作品とは自分の人生の一部であり、秘めたる部分の可視化でもある。
少なくとも私はそうだ、そうだと思う、わからない、わかるなら作品なんて書かん。
作品を読むという事は解剖であり凌辱だ、だからこんなにも楽しい。
今も自身が送り出した愛しい物語たちがどのように皮を剥がれ筋を絶ち骨を抜かれているのか考える。
嗚呼!これだから小説書きはやめられない!
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