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一日のすべきことを終え、寝床にもぐりこんだ時思うことといえば明日への絶望だ。
眠ってしまえば明日が来る、目を閉じほんの7時間布団の中で夢を眺めれば明日が来てしまう。
何があるわけでもない、ただただ今日が終わり明日が来る時のめぐりが恐ろしい。
眠りとは死だ。
今日の俺が死んで、明日の俺が生まれる。
一夜に見る夢は走馬灯、一組の寝具は棺。
眠りの際の吐息が遺言で、明日の朝あくびをするために吸った一呼吸が産声だ。
俺は今この眠りの淵を死の淵と同義だと考える、ならこれだけ恐ろしいいのも納得だ。
生死を繰り返し夜を越す、人でないものの時間を死体でやり過ごす。
人間とはかくも不思議だ、こんな恐ろしい行為を人生で何度でも繰り返す。
眠る前の俺と眠った後の俺が同じ人間だなんて誰が証明できるのか。
やはり恐ろしい、どこまで考えても恐ろしい、寝返りをうつ、もう午前1時を過ぎた。
頭の端の俺が言う『いいからとっとと寝ろ』
そんなこと言ったってこの怠惰な思考を閉じたくない、ああ閉じたくないのに、閉じたくないのに瞼が上がらな、ああ、ああぁあぁぁあぁぁぁ…………ぁふ…………………
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