カサブタ君 傘をしょった豚物語

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~みんな一匹は持っている~~~ カサ・ブタ君!!!! ~~~傘を持ったさすらいのブタ物語~~~~~~ オレの名前はカサ・ブタ・ジュニア。 通称、カサブタ君。 傘をしょって、いつも人間の肩に座っている。 好きなことは食べることと寝ることと食べることと寝ること・・そしてこれは内緒だが、愛についてのポエムを書くことだ。 見た目はちょっと太めだが、これでも、カサブタ族の中では動きの素早さにおいて右にでるものはいない。 いつもは、人間の肩の上でごろごろしているけど、誰かがケガをすると、おれはマッハの速さで起き上がる。そして、瞬きにも満たない間に現場にかけつける。 おかーさんよりも、絆創膏よりも早いんだ! 「いたっ」っていう声も、「うわーん」という鳴き声も必要ない。 ピリッと皮膚のさける音、血のフワンとした匂いがオレにとっては合図さ! 得意技は分身だ。怪我をするとき、傷口は一つじゃないからな。 体を何匹にも増やしながら血が出た場所に急降下して現場に駆け付ける。 その時、この傘がとっても役に立つ。 傘を上手にあやつって、向きをかえたりスピードを緩めたり、調整しながらフワリと傷口に、一ミリのズレもなく着地する。 それから、分身した体を効率よく散らばせて、傷口に密着させて血を止める。ここまでが第一段階だ。まだまだこれは序の口だ。  次に傷口の形や深さに合わせて分身たちに効率よく指示を出し配置させる。そして傘を大きく形に合わせて広げて密着させるとカサブタ下地のできあがり。 最終は、カサブタ下地を体を一瞬乾燥させたら一段落。後は完全に乾くまで、じっくり待てばオレの任務は終了する。 分身しながら傷口まで駆けつける速度に、着地の軽やかさ・・・  傷を覆うのに、分かれた体を効率よく配置させるための一瞬の判断・・・  瞬時に体を熱くしする速度に、乾燥させる速さ・・・ etc どれをとってもオレの技術はピカイチで、年に一回、カサブタ族が集まって行う、カサブタコンテストで全種目3年連続制覇して、エリートの称号をもらったのだ。そう、オレは傘を持った豚の一族、カサブタ族の中でも、上位を争うエリートカサブタなんだ! 一応、ここまでがオレの自己紹介だが・・何か質問あるかい?
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