第4章 彗星の如く現れた

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第4章 彗星の如く現れた

 部活動も秋の始業日と同時にスタートし、個人練習とは違う苦労や楽しさに胸が踊り、クルクル回ると白のスカートが良い感じに気分を上げてくれる。 「うん?先に誰か来てる……?」  今日の練習場所の音楽室に人影があった。紅葉の赤と橙と一体感があり、高く結ばれたポニーテールが廊下側に姿を見せている。 「ちほにょん!?」  噛んだ。 「おはよう、えみみん!」  うちを見るなり、勢いよく飛び出してきて尻もちをついた。じんじん痛むお尻をさすっていると、ちほちょんと向き合う形になる。 「ちほにょんも可愛いけど、あたしはちほちょん派だね!」 「そ、そうなんだ?……って、なんでここにいるの!?部活は……?バレー部は?」  練習場所が日によって変更する演劇部と違い、バレー部は第二体育館で土日も練習している。全国大会の常連でメンバーも多いと説明会で教えられた。 ちほちょんの返事を待つ前に頭上からハスキーな驚きがした。 「おお〜。同級生の感動の熱い抱擁?萌えハートのきゅんだ」 「サリーだ、ホンモノだー!メイクしてなくても美人!知的美人!」 「フフフ……きゃわいい女の子に褒められるのは悪くない」 「よろしくお願いいたします、キャプテン!」 「応とも!えーと、ローズちゃん」  仲良く談話してるけどちほちょんが乗り出したおかげで腕が逆方向に伸びきり姿勢が辛い。 「全く、女の子を見つけたら直ぐに走らない、喋らない、色目使わない。この三ないをしないとの約束でしょう」 「ぐええ……ひ、首……っ、色目使っ……首……っ!!」  襟を掴まれて連行される鬼灯先輩達を追い、階段を下りていった。
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